​「凍土の火」

Gemini版
許すことは、美徳だという
手放すことは、強さだという
だが、その言葉で塗りつぶされた傷口が
今も暗がりのなかで、脈を打っている
​差し出された手を取れば、楽になれるだろうか
降り積もる憎しみを、雪解けのように流せるだろうか
否、この冷たさこそが、俺を形作る背骨だ
この渇きこそが、俺を立たせる唯一の光だ
​過ぎ去った足跡を、風が消そうとしても
刻まれた記憶の溝は、深く、深く、穿たれたまま
「仕方なかった」という免罪符を
俺は、この足元に叩きつける
​馴れ合いのぬくもりはいらない
偽りの和解で、自分を欺くこともない
たとえこの荒野に、たった一人残されたとしても
俺はこの痛みを、盾として抱きしめる
​誰も許さない。
その誓いが、俺の心臓を叩く。
世界がどれほど慈悲を説こうとも
俺だけは、この憤怒の火を絶やさない。